『医者のあるべき姿ですね』
現在では、医者の専門性が高くなっています。
最近身近に経験したことですが、骨折して救急医療で運ばれてきた整形外科で、骨折以外に心筋梗塞の疑いがあるとの由。
しかしながら、循環器系は専門外で、その検査結果ですら正確な見方が分からないと言われ、余儀なく再び救急車で転院しました。
昔であれば、よろず病院といえるものがありました。救急指定でもないのに、夜中であってもどんな症状であってもすぐ先生が診てくれ応急処置をしてもらえるというものです。
医者が専門性に長けることは決して悪いことではないですが、特に救急医療の場合はトータル的な判断のもと迅速で的確な処置ができるというものであってほしいですね。
本書を読んで、設備も何もない診療所から整備して、専門外であろうとも来るもの拒まず、自分しか治せないという強い意志と責任感を持って、命あるものは助けよう、助けるのは自分しかいないという信念を強く感じるものでした。
２８年間２４時間中、私生活を犠牲にして、多分熟睡することもなく、強靭な不屈の精神で島の人々のために奔走された姿はまさしく医者の鑑と言えるものでしょう。